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ソフトウェアファースト

エンジニアを採用して、投資したら、ちゃんとその分以上の売上をペイできる会社というのはソフトウェアファースト企業ということです。
例えば、「エンジニアがこの機能をリリースしたら、XXX円の利益が出る。」「エンジニアがサーバーを落としたらXXX円の損失になる。」という状況が作れている会社です。

イメージしやすいのはソーシャルゲームの会社でしょうか。メルカリさんのようなC2Cの会社もトランザクション毎に課金が走るのでわかりやすいでしょう。食べログさんやクックパッドさんなどの有料ユーザーも良いUXの機能を実装することで、アドオンのサブスクが提供できるので、ある機能のリリースによって有料会員が増えた減ったにつながるので、ソフトウェアファーストになっていそうです。

B2Cサービス企業は、Web上で集客し、Web上でマーケティングし、自社サービスのコンバージョンさせます。
ですので、そんなの大きなコンフリクトは起こりにくように思います。
(自社広告チームなどB2Bチームが成長してくると、成長エンジンが違うところにも発生するので、実は出てくるのですが、一旦無視)

B2B SaaSもソフトウェアファーストな会社です。業界特有だったり横断的だったりは色々ありますが、社内のインフラをSaaSで一手に解決するわけです。エンジニアがいなければ機能を作ることができません。「この機能があれば導入したい!」「この機能があればもっとお金払いたい!」という顧客の要望を叶えるのは常にエンジニアですよね。

B2B SaaS企業で起こりそうな部門間コンフリクト

だけれど、B向けSaaSの会社は営業さんが突破力を発揮して、一気に売上を作ってくるかもしれません。
そういう売上を立てらる優秀な営業さんが、「この機能があったら、XX売ってくる」と言うかもしれません。そして、実際にその機能を作ったら、その営業さんはXX売ってくるかもしれません。

こうなったら、ソフトウェアファーストが崩壊し始めています。
この営業マンが作る会社になっていきます。それで売れるのであれば、会社としては問題ないので、それでもいいかもしれません。

が、次第に起こることは、営業部門のアイデアをリサーチをせずにスケジュールが確定し、それによりエンジニア部門は社内受託開発のような立ち位置になり次第に疲弊していきます。
エンジニアが一人抜け、二人抜けしていくと、元々予定した納期に間に合わなくなっていきます。

そもそも、営業部門の外れなかったアイデアも、限界がいつかきます。(HiPPoというアンチパターン)
スティーブ・ジョブズでもNewtonという大失敗作を作ったことを忘れてはいけません。


参考文献: アジャイルエンタープライズ

越境しよう

プロダクトが未成熟な時は、プロダクトに足りない機能を作ればいいだけなので、実はアイデアを出すのは簡単です。
しかし、プロダクトが成熟していくと新しい一手を生み出すにはとても難しくなってきます。

こうした時は越境するチームを作っていきましょう。
開発者を営業先に連れていきましょう。ユーザーインタビューをしましょう。開発の優先度の交渉を行いましょう。なぜ開発に時間がかかるようになってきているのか、順を追って説明していきましょう。

こうした時に必要なのは顧客開発の手法です。
リーンスタートアップ関連の書籍やデザインスプリント関連の書籍が参考になるでしょう。


リーン顧客開発 ―「売れないリスク」を極小化する技術 (THE LEAN SERIES)


SPRINT 最速仕事術――あらゆる仕事がうまくいく最も合理的な方法

プロダクトオーナーやスクラムマスターはステークホルダーに対して責任を負っているので、越境して経営毎変えていく必要がありますね。
あー、これは大変だ。本当に大変だ。でも、ビジョナリーなスタートアップなら、必ず変わることができますよ。